闘う弁護士の不動産投資小話~兵法 2020年1月号
受け身な購入は成功を逃す
自ら投資に値する商品をつくる
もうかっている不動産投資家として、①地方でボロ物件を再生させて、相場より高い利回りで運用している投資家、②都心で自ら土地を購入して建物を新築し、やはり相場より高い利回りで運用している投資家と、大きく2パターンがあります(私は②です)。他方で、③安定したインカムゲインが売りとされているにもかかわらず、想定よりも収支が悪くなり、キャッシュフローが残らない物件を買ってしまう投資家(要するに高値づかみしているので、いざ売却しようにも、売却代金で残債を完済することもできません)。
このように、同じ不動産投資でも、人生を変えるほどに成功している人もいれば、全然もうからない物件を買ってジリ貧の人もいます。では、不動産投資で人生を変えるほどに成功するためにはどうすればよいのでしょうか。
それは、「お金持ちになるためには、自分でゲームに参加しなければならない」ということに尽きます。
世の中には、パッケージ商品をつくる人と、買う人の2種類しかいません。前記①②がパッケージ商品をつくる人で、③がパッケージ商品を買う人です。具体例でいえば、不動産業者が地方のボロ物件を安く仕入れて、リフォームして、空室を埋めて、銀行もセットで紹介して、サラリーマン投資家に売却するというケースがあります。サラリーマン投資家としては、本業が忙しく、自分でボロ物件を探したり、リフォームをする時間がないので、リフォーム済みで、満室になっている中古物件を買う方が楽です。まして、銀行まで紹介してもらえれば、あとは利回りや、賃料の中から返済ができるかどうかを計算すればよいだけですので、購入のハードルは高くありません。そうして、不動産業者がたっぷりと利益を乗せた物件(=パッケージ商品)を高く買うことになるのです。
他人が作ったパッケージ商品を買っていては、絶対にお金持ちになることはできません。お金持ちになりたければ、自ら価値を創造し、商品をつくりだす必要があります。「満室」とか、「新築」という売り文句が表示されていれば、それは「パッケージ商品」と思った方が良いでしょう。