闘う弁護士の不動産投資小話~兵法 2019年12月号
全資源を集中投資すべし
節税行為は投資機会を逃す
「分散投資は無知に対するヘッジだ」。世界一の投資家ウォーレンバフェット氏の言葉です。
「自分が無知で、何がもうかるか分からないならば、分散投資するほかないが、何がもうかるか分かっているなら、そこに投資すると最ももうかる」ということです。不動産投資の手法で、このやり方が最ももうかると理解できた投資家は、その手法を極めて集中投資すべきと思います。特に、これから資産を拡大していきたいという野心のある投資家は、分散投資などやっている場合ではありません。全ての経営資源を1つに集中させて投資することで、加速度的に資産を拡大していくべきなのです(逆に、もう十分資産を築き上げた方で、これ以上拡大する必要がない人は、分散投資で資産防衛すれば足ります)。
私がこのように話すのを聞いて、確かにその通りだと、資産拡大=集中投資路線で行くべきと頭では理解される方もいますが、実際にその通りにできない人は少なくありません。例えば、節税をする人です。目先の税金を払いたくないがために、借金をして生命保険に加入したり、フェラーリを購入したりします。節税は一時的に税金を繰り延べることはできますが、将来どこかで課税されますし、そもそも節税することによる経済効果は利回りでいえばせいぜい2~3%程度です(将来課税されれば、結局利回りゼロどころか、マイナスとなります)。
投資に回せる自己資金を減らしたり、借金をすることで信用棄損を起こしますので、本来やるべき不動産への投資ができなくなりかねません。不動産投資へ集中投資してもらいたいものです。また、住宅ローンを組んで自宅を購入する行為も同じです。住宅ローン分の信用が既存しますので、投資すべき不動産への投資の余力がその分だけ減ることになります。家賃がもったいないからと自宅を購入する人は、もっともうかる投資の機会を逃しているのです。
節税や自宅の購入などは、お金持ちがやることです。これから資産拡大していく人は、自分の投資スタイルを確立して、全資源を集中投資させるべきです。